よくあるご質問

Q: 紅茶を点てるのに100度の熱湯を使うわけは
A: 紅茶は生の葉を萎れさせ、揉んだ後、醗酵させてあるので低い温度のお湯では紅茶のおいしさの成分が抽出しきれないのです。
従って、紅茶をおいしく飲む第一の原則は沸騰させた熱湯を使うことです。
Q: 紅茶は珈琲よりカフェインが多いって本当ですか?
A: その通り本当です。紅茶100g中のカフェイン含有量は2.7%、珈琲は1.5%ですから紅茶のほうが多いのです。
ところが、紅茶一杯分には3~4gの茶葉を使用するのに対して珈琲は約10~12g使用しますので一杯当たりでは紅茶のほうが少なくなります。
Q: 紅茶はどこの国で作られているのですか?
A: 答えはイギリス、なんて思う人は今の時代には居ませんよね。お茶の樹は大別すると中国種とアッサム種の二種類があります。緑茶に向いている中国種に比べ、紅茶に適したアッサム種は熱帯の直射日光がとても好きです。
つまり、インドとかスリランカ、アフリカ、インドネシアなど熱帯性の気候風土の場所が紅茶の樹の成育に適しています。従ってこれらの国が主な紅茶の生産国です。
Q: 紅茶には珈琲に使われるフレッシュクリームは合わないのですか?
A: ミルクを紅茶に入れたとき、紅茶のおいしさがミルクの匂いや脂っこさに負けないこと、それに水色がクリームブラウンのきれいな色になること、それから一番大切なことは紅茶本来の香りを残すことが大切です。
生クリームや珈琲フレッシュは乳脂肪分が多すぎて紅茶の香味を損ない重たい味になってしまいますので不向きです。
Q: 日本や外国ではどれだけの量の紅茶が飲まれているのですか?
A: ブレンド国のイギリスや生産国のインド等が圧倒的に多く国民平均で一日当たり4~5杯は飲みます。消費総量ではロシアが多く、オランダやドイツなども紅茶大好き国民です。
日本はと言うと紅茶の輸入量が16,000トン位ですから、年間国民一人当たり100g少しです。ティーバッグに換算すると一週間に一袋しか飲んでいないことになります。
Q: 紅茶の葉の良否はどのように判定するのですか?
A: まず茶の葉そのものです。外見や形状をよく見ます。ヨリがよく効いて乾燥して、形状が揃って、持ち量りするかを確かめてください。
色は澄んでいるか、香りはどうか、品のある渋みか、コクや滋味はどうか、爽快感などをチェックします。
最後が茶殻です。茶殻の香りや色、茶葉の形状等で乾燥工程の様子を読み取ります。
Q: 紅茶の葉はどのくらいの期間持ちますか?
A: 紅茶は農作物ですから新鮮なうちが一番おいしいのですが、通常はしっかり密封されていれば1~2年は大丈夫です。紅茶は湿気が大敵です。
それに空気や日光にさらされるのも紅茶の質を落とす原因になります。キャニスター(密封容器)に入れて、涼しい陽の当らない場所で保管してください。
しかし、新しい間に飲み切ってしまうのが一番です。
Q: 紅茶が日本に入ってきたのはいつ頃ですか?
A: 日本へ緑茶が中国から伝播したのは729年の聖武天皇の時代と言われています。それに比べ紅茶の伝来は明治の初期、1906年に当時の輸入商社明治屋が紅茶を輸入したのが始まりです。
Q: 紅茶の葉に大小がありますが何か規格があるのですか?
A: 紅茶は醗酵茶ですからタンニンやカフェインその他いろいろの成分を葉の中にしっかり蓄えています。この茶葉に熱湯を注ぐとそれらの成分がお湯に溶け出すのですが、葉の大きさにより成分の溶け出す時間が異なります。
の為、茶葉を一定の大きさに揃える必要があり、茶葉の大きさの基準が決められています。この基準をグレード(等級)と言い、<OP>、<P>、<B.P>、<BOP>、等と分けられています。従って、規格とは茶葉の大小を示すだけで、紅茶の品質そのものの規格を表わしたものではありません。
Q: 紅茶はレモンよりミルクで飲むほうがおいしいって本当?
A: レモンを紅茶に入れるのはレモンの香りと爽やかさが紅茶と合うからですが、レモンの皮から苦味が出て却って紅茶の香味を損なうことが多いのです。
それと紅茶の中にレモンを漬けすぎると折角の紅茶の色が薄くなってしまいます。これはレモンのクエン酸が紅茶の色素と化合するからです。
イギリスやインドではミルクが圧倒的に多く、レモンティーを飲んでいる人をほとんど見かけません。ミルクを入れると紅茶の渋みが程よく調和されまろやかな味になります。
Q: 茶葉によって2分から5分蒸らす理由は何故ですか?
A: 紅茶はお湯を注ぐと最初に色が出ます、そして香りが出てきます、それからゆっくりと茶葉が開きながら成分をお湯に溶け込ませていきます。
そして時間をかけてタンニンやカフェイン等が結びつき紅茶独特の旨味とかコク、渋みが形成されるのです。この抽出時間は茶葉の大きさや種類によって異なりますが、少なくとも2分から5分位は掛かると言う訳です。
Q: 紅茶の点て方で煎茶式と煮出し式はどう違うのですか?
A: 最もポピュラーな点て方でポットに茶葉を入れて熱湯を注ぎ、2分から5分間じっくり蒸らし紅茶の持つ成分を抽出させるのが煎茶式です。
他方、茶葉とミルクとスパイス等を一緒に手鍋で煮出してコクのあるチャイを作る場合はこのように煮出して成分を引き出してやるのが煮出し式といいます。アイスティーも煮出し式に近いやり方のほうがおいしく作ることができます。
Q: 紅茶も緑茶も同じ樹から出来るのですか?
A: 紅茶の樹というのが特別にあるわけではありません。紅茶も緑茶も烏龍茶もみんな同じ種類の茶の樹(カメリアシネンシス・オ・クオンツ)というツバキ科の植物から作ることが出来ます。従って、緑茶や烏龍茶、紅茶も製法の違いによって出来るのです。 緑茶は摘んだ生葉をすぐに蒸して揉んだ不醗酵のお茶、烏龍茶は醗酵を途中で止めた半醗酵茶、紅茶は醗酵を完全に進めた醗酵茶というわけです。
Q: 一年間に作られる紅茶の量は?
A: 世界中で作られる紅茶の総生産量は180万トンとも言われ、緑茶・烏龍茶を入れるとお茶全体では300万トンを超えるようです。インドは80万トンから85万トン、スリランカが31万トン、ケニア24万トン、インドネシア16万トンとデーターでは記載されています。
Q: テイスターやブレンダーは何をする人なのですか?
A: 紅茶は農作物ですから天候・気温・季節・立地条件等で品質が大きく変動し、一定しません。
そこで、オークションブローカーは自社が扱う茶葉の品質鑑定を行い価格設定します。その価格が指値のスタートとなる基準となりますから、各社は優秀なテイスターを抱え、養成していくことが大事なことのひとつです。 誰も価格と品質がマッチしていない紅茶を落札してくれません、その様な場合にはその紅茶は即座に茶園へ送り返すことになり、オークションブローカーの信用は失墜しますから、彼等も真剣にテースティングの腕を磨き信用・信頼されるよう研鑽していきます。 このように品質鑑定し納得される価格をつける人がテイスターの大きな役割です。
一方、バイヤーの要請により一定の品質を維持した大量のオーダーを受けます。そこで品質と価格、バイヤーの要望をヒアリングし、サンプルを作ってバイヤーに鑑定してもらいます。5~10種類位の茶葉のコスト、品質、特徴、特性等のイメージをしっかり持ちながら提案しないことにはバイヤーの信用や信頼を得られません。
このようにブレンダーはバイヤーが求める条件を全て組み入れ満足させられるブレンド(調合)をする人をブレンダーといいます。
ブレンダーはそれぞれの茶葉が持つ特性を見抜いて調合できる人。それぞれの茶葉の特性を把握していない人が作ればそれは単なるミックス(混合)しただけなのでミキサーとでも名付けるのかな?
Q: ティーバッグとリーフティーの葉の違いは?
A: ティーバッグの用途は経済的で手軽に、早く、簡単に点てられること、この目的を満たす為に開発されたものです。比較的経済的に作れるのは原料茶のダストというグレード茶葉を使用するため製造上のロスを防ぐ有効な商品として活用できることにも寄与しています。
しかし、ダージリンなどの品質の高い茶葉のダストは高値で取引され、おいしいティーバッグに使用されていますから、ティーバッグを全て品質が低いと判断することは出来ませんが、ダージリン自体が少ないですからこのダストも入手するには手こずるでしょう。
他方、リーフティーは本来の紅茶のおいしさを楽しむ為に決められた時間をじっくり蒸らして、味を引き出すことでより紅茶のおいしさが楽しめます。
Q: 紅茶はどのようにして作られるのですか?
A: 紅茶は醗酵させたお茶ですから基本的には
まず茶の葉を摘んで、
その生葉から水分を抜く為に萎れさせる工程から始まります。
(この作業が進んでくると爽快な香りが生まれてきます)

次にこの萎れた葉を揉み上げます。
(揉むことにより葉の酵素を取り出し酸素に触れさせ醗酵を促します)
その後、醗酵棚で寝かし、醗酵が進んだ後、乾燥機に通し、茶葉のサイズを整える工程を経て出来上がってきます。
紅茶は前日に摘採された生葉を一晩萎凋棚に寝かせ、翌日一日掛かって作り上げます。珈琲豆は生豆(焙煎前の豆)で保存しておくとかなりの日数大丈夫らしいですが、焙煎すると早くに飲みきってしまわないと劣化が激しいと聞きます。
その点紅茶は生葉で保存しておくことは不可能ですから摘んだら翌日には仕上げてしまわねばなりません。
Q: ジャーや湯沸かし器のお湯は不適格と言われるのは何故ですか?
A: 活力のあるお湯と活力が乏しくなったお湯の違いです。組み立ての水道水は空気を多く含み活力があります。この空気がポットの中の茶葉を力強く動かし、その結果おいしい香味を引き出してくれます。
ジャーのお湯や、湯沸かし器のお湯、二度沸かしのお湯は酸素も少なく力の乏しいお湯となりますから紅茶の香味を引き出すには良いお湯とはいえないのです。